最も親日的な外国人の一人、李登輝・元台湾総統が、…


 最も親日的な外国人の一人、李登輝・元台湾総統が、月刊誌「Voice」10月号に「『女性の活用』は台湾に学べ」と題した一文を載せている

 「管理職に女性が占める割合は、米英仏など欧米の企業では三、四割が一般的だとすれば、日本は一割前後にすぎない。台湾ではすでに二割に達している」と数字をあげ、日本の「女性活用」は世界的に遅れていると断じている

 戦後、台湾は農業発展時に「女性の役割が強」く「家庭内で事実上の『実権』を握り、家庭の仕事や農業に積極的に関わっていた。これはいわゆる『母系社会』でみられる行動原理」で、今の「女性進出」につながっているという

 昨年、日本の内閣府調査で過半数の人が「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」に「賛成」したのは「日本の女性たちが働くことへの希望をなくしたことが背景にある」という意見があり、李氏はそれに与している。なるほど、そういう見方もあるのかと思った

 安倍晋三首相は今回、国連演説で「女性が輝く社会をつくる」と強調。成長戦略では「女性の活躍」を掲げ、選挙では指導的地位に女性が占める割合を2020年までに30%以上にすると公約した

 女性の社会進出のための環境を整えながら、いかにして少子化の克服を実現していくか。難しい課題だが、20年東京五輪までに女性が一段と輝く日本社会を、堂々と世界に見せたいものだ。