首都高速湾岸線で2年前の7月に、追突玉突き…


 首都高速湾岸線で2年前の7月に、追突玉突き事故で東京税関の職員4人が死亡し2人が重傷を負った事故を覚えている人もおられよう。事故を起こした元運転手(72)が居眠り運転をしたとして自動車運転過失致死傷罪に問われた裁判の判決が4日に、東京地裁であった。

 大善文男裁判長は、元運転手側の重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)を理由に無罪を求めた主張を退け、禁固5年6月(求刑禁固7年)の判決を言い渡した。

 事故の3分前に眠気を感じていたと認定し「眠気を感じながら運転を中止せず、過失は重大」と刑事責任を認めたのである。SASの人による重大事故は、これも運転手の有罪が確定した一昨年の関越道で乗客45人が死傷したツアーバス事故など目立つ。

 SASの人は今後、運転時には自身の体調を注意深く把握し、しっかり管理した安全運転で事故を未然に回避する責任が求められる。

 持病の影響による交通事故はSASのほか、糖尿病による低血糖状態になった時に起こした事故などが報道されている。事故を起こす可能性のある疾病もちの運転者には、病気の正しい理解と安全運転への強い自覚が欠かせない。

 6月末までの今年前半の交通事故死者数は1925人で、昨年同期と比べて79人減少した。月ごとの統計では昨年より1月が10人、5月が2人増えたが、4月の32人減のほか2、3、6月が減少。14年連続減少に向かい展望は明るい。