がん、心臓疾患に次いで日本人の死因の第3位…
がん、心臓疾患に次いで日本人の死因の第3位を占める脳卒中。年27万人が発症しうち12万人が死亡、社会の高齢化とともに患者数の増加が予想される。脳卒中は早く前兆に気づき、適切な処置を取ることが肝要だと言われる 。
この脳卒中の治療について、厚生労働省研究班がこのほど全国調査の結果をまとめ、高度な治療を24時間体制で行える医療施設では、通常の施設に比べて死亡率が26%も低いことが明らかになった。高度な治療施設では早期に的確な判断と治療ができ、死亡率が下がると考えられ、後遺症が残る率も低かった 。
同研究班の飯原弘二九州大教授は「(脳卒中で)死亡を減らすには、特定の施設に医師や診断機器を集める集約化や施設の連携が重要だ」と、今後の診療の方向性について言及している 。
今、わが国は国民皆保険制度の下、全ての国民が公的な医療保険の加入を義務付けられる。その結果として、病気や怪我をした場合、誰でも必要で適切な医療が受けられることになっている 。
しかし実際は、治療施設が異なれば死亡率の違いがはっきり出ることが分かった。いささかショッキングな事実であり、こうした状況は改善されるべきだ 。
「診療機器の集約化」という問題は今日、保険診療と自由診療(全額自費負担)を混合して行ういわゆる「混合診療」に絡めて論じられやすい。その是非はともかくわが国の医療界は激動の時を迎えている。