【上昇気流】ガソリン価格の高騰


緊急事態宣言が解除されたので新東名高速道路を使って車で実家に帰った。週明けだったからか、トラック軍団に遭遇した。途切れることなく整然と走っていく。小型車に乗っていると、ビルの谷間にいる気分だ。

「経営立ち行かない」苦境に立つ行楽地の給油所

ガソリンスタンドでの給油作業

もう一つ驚いたのは、サービスエリアでの給油。高速道路のスタンドは高値と心得ていたが、リッター約180円。街中に比べて20円ほど高い。ガソリン価格は原油価格の高騰で、さらに高まる見通しだという。トラック輸送は物流の6割を占めているから生活を直撃しそうだ。

半世紀前、中東産油国が突如、原油価格を7割引き上げ、石油ショックを招いた。先進国を手玉に取ったサウジアラビアのヤマニ石油鉱物資源相(当時)は後世に名セリフを残した。「石がなくなったから石器時代が終わったわけではない。石油も埋蔵量が豊富だからといっても、いつまで続くか分からない」。

原油に取って代わるエネルギー源が登場すれば、すぐに見捨てられる。今、温暖化対策で原油は分が悪い。欧州ではガソリン車をなくすという。ならば、今のうちに稼ぐ。そんな産油国の思惑が見えてくる。

電気料金は1月に比べて平均1000円以上も値上がりした(東京電力)。いつまで原油に依存するつもりか。

「しわ寄せを受けるのは(社会の)下積みの人たちです」。反原発の朝日新聞の中で唯一人、原発推進を唱えた元科学記者、大熊由紀子さんの言葉が蘇る。原発再稼働こそ庶民を救う。