千葉県市川市に「千葉ドリームスター」という…
千葉県市川市に「千葉ドリームスター」という障害者野球チームがある。県唯一のチームで、障害者スポーツの普及などを目的としたNPO法人G2プロジェクトによる事業だ。
このチームがNHKBSの「真央が行く!」千葉県編に登場した。フィギュアスケート元世界女王の浅田真央さんが、パラスポーツを体験、応援しようという番組。真央さんが話を聞くのは土屋来夢選手だ。
野球の日本代表を夢見た少年時代だったが、事故で右手の指4本をなくして不可能に。出会ったのがこのチームだった。プレーで使うのは左手だけ。ボールをグローブでキャッチし、それをグローブごと放り上げ、ボールを左手で取って投げる。
この動作を一瞬で行う。真央さんもやってみるが、熟練が必要だと理解する。「凄い世界があり、人生に意味がある」と語る。歴史学者佐藤唯行さんの『英国ユダヤ人の歴史』(幻冬舎)によると、パラリンピックを創始したのはユダヤ人医師L・グットマン。
ドイツで脳神経外科医として国際的名声を博していたが、ナチスの圧政を逃れて英国に亡命した。英国政府が1943年、戦争による人的損害を想定して国立脊椎損害者センターを新設すると、その所長に。
脊椎損傷者は社会復帰が望めなかったが、スポーツと労働によるリハビリ法を導入し、半身不随者を納税者に変えた。そして60年、ローマパラリンピック開催で国際スポーツ界に新次元を切り拓いたのだ。