太平洋クロマグロの資源管理を話し合う国際…


 太平洋クロマグロの資源管理を話し合う国際会議で、2022年の漁獲枠を増やす日本の提案が一部、認められた。米国やメキシコ、韓国、台湾など6カ国・地域の賛同が得られたという。

 最終的には、年内に開かれるWCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)の年次会合で合意を得る必要がある。日本は資源の回復状況などについて丁寧な説明が求められている。

 太平洋地域には国際的な資源管理団体として、マグロ類の管理を行うWCPFCやIATTC(全米熱帯まぐろ類委員会)、サンマ資源や天皇海山海域などの管理を担うNPFC(北太平洋漁業委員会)などさまざまある。日本は積極的に関与し、資源管理でイニシアチブを取っていきたい。

 太平洋のクロマグロやカツオ、サンマなどの生育状況、資源量などについて、これまで以上に資源相互の関連性が強くなってきている。さらに絶滅の恐れがある野生生物の種類も増え、その扱いなどにも注意が要る。

 海は公共の利益のために管理するには最も好ましい共有利用物だ。わが国は江戸時代まで近海、沿海漁業にも「総有、入会」という海の共同利用の考え方があって実践された。その伝統が今日まで「共同漁業権」の中に生きている。

 それに比べ欧米の漁業のあり方は従来、私有財産と市場経済を至上としている。公海を最も積極的に利用してきた日本の資源管理に関する役割は、広大な太平洋でも決して小さくない。