新型コロナウイルス禍の中で開幕した東京五輪…


 新型コロナウイルス禍の中で開幕した東京五輪だが、日本選手のメダルラッシュが続いている。全身全霊を込めて試合に挑む姿、試合後の笑顔、涙。これがスポーツの力と納得する。

 開催に懐疑的なムードを煽(あお)ってきたテレビのワイドショーも、選手たちの姿に感動し素直に喜ぶ視聴者の声で、徐々に報道ぶりを変えていかざるを得ないだろう。体裁を繕うため、大会運営の粗探しは続けるかもしれないが。

 それにしても、開催反対を叫ぶ人々のデモなどを何の背景説明もなく報じる一部メディアの姿勢は無責任だ。開会式と同じ日に行われたデモの参加者を「市民団体」としているが、「五輪より命」など共産党と同じスローガンをプラカードに掲げているのを見ても、その背景は明らかだ。

 共同通信のネットニュースが流したデモの写真を見ると、参加者は完全な「密」状態で、おまけに「五輪止めろ」などとシュプレヒコールまで上げている。

 この「市民団体」が本当に人々の命を心配しているとは思えない。とにかく五輪の成功を妨害し、政権にダメージを与えるという政治的な意図が見え見えだ。

 しかし幸いなことに、選手たちの素晴らしい戦いぶりのおかげで、多くの国民がテレビから目が離せない状態となっている。五輪開催で人流が増加するとの懸念があったが、テレビでの観戦が相当に人流抑制の方向に働いていると思われる。開会数日にして、既に大きな五輪効果を生んでいる。