関東甲信の大雪で、交通機関が乱れトラブルが…
関東甲信の大雪で、交通機関が乱れトラブルが続出。東名高速の上り線は車列が何時間も動かなかったし、東急東横線の追突事故も雪の影響とみられる。積雪は都心で27㌢に達したほか、甲府市などで観測史上最多を記録した。
救いは、子供たちが胸を躍らせ、早朝から表に出て元気よく雪遊びをしていたこと。通勤路のあちこちに雪だるまだけでなく、かまくらを真似た大小の雪室がいくつも見られた。
根気強く取り組まないと、とても完成できないような労作ばかりだ。親御さんの手を借りたのだろうが、夢中で雪の作品作りに向かった子供たちの生き生きとした姿が思い浮かぶ。
足場の悪い中、5~6人の女子学生の一方が路上の雪を手で飛び散らせ、もう一方が傘を盾に防ぎながら戯れ楽しんでいたのもほほ笑ましい。これらの話に能登出身の同僚が言うには、雪国であっても、その冬初めの大雪には子供の頃、ずいぶん心を弾ませたそうだ。
「雪やこんこ霰(あられ)やこんこ 降っては降ってはずんずん積る」の童謡「雪」。単に雪が珍しいだけでなく、都会の少年少女たちの心のうちにあるのも自然の神秘への憧れだろう。
歌人・大伴家持が「今日降る雪のいや重け吉事」と歌った万葉の時代から雪は豊作の徴(しるし)でもあり、創作意欲をかき立てる素材だった。大雪が降るとやっかいだと思ってしまいがちだが、天に向かっての感謝の気持ちを子供たちに教えられた。