新型コロナウイルス対策で換気をするために…


 新型コロナウイルス対策で換気をするために時々窓を開けると、外の冷たい空気がすぐに入って来る。冬の冷気を実感する瞬間だ。

 そろそろ今年も終わりに近づき、カウントダウンの段階だが、その実感が薄いのも、年の瀬を感じさせるイベントが少なかったせいだろう。コロナ禍で祭りも自粛を求められ、季節の移ろいが分かりにくくなっている。

 秋祭りなどは1年の締めくくりの収穫祭になるが、密になるので中止。年末恒例のベートーベン「第9」の演奏も自粛や縮小となり、静かな日々を迎えそうだ。

 静かなのはいいが、時間が平坦(へいたん)に過ぎていく。家で仕事をしていると、通勤することがないので、仕事が終わっても終わったという実感は乏しい。

 そんな背景があるせいだろうか、日記の良さが見直され、人気になっているという記事を読んだ(読売新聞12月9日付)。日記を書くことで、コミュニケーション不足などによる不安な気持ちを落ち着かせることができるのだという。

 ブログなども日記の一種になるのだろうが、パソコンやスマートフォンの画面に字を打つことでは得られない精神的な作用が、紙に書くというプロセスにはあるようだ。日本人は日記を書くのが割合好きなようで、特に平安時代などは日記文学が花開いたことが知られている。あす14日には「今年の漢字」が京都の清水寺で発表される。今年を振り返れば何となく予想できそうだが、今はただ発表を待ちたい。