「飴(あめ)袋黒土擦つて七五三」(沢木…
「飴(あめ)袋黒土擦つて七五三」(沢木欣一)。きょうは七五三の日。この俳句を見て、そういえばと思う人は少なくないだろう。とにかく、飴が長かったということである。七五三に付き物の千歳(ちとせ)飴は、小さな子供にとって地面に引きずってしまうほど長い。
そもそも七五三とは、医療技術が発展していなかった時代、乳幼児の死亡率が高かったために無事に成長したことを喜ぶお祝い。子供のための日なので、お祝いにもらうのが千歳飴になっている。長いのは長生きを願う呪術(じゅじゅつ)的な意味もある。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大もあって、神社などでの七五三参りの予約も密を避けるために例年よりは減少しているという。記念写真の撮影では、マンガやアニメで人気を集めた「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」にちなんで、キャラクターの衣装を着るケースが多いようだ。
特に映画が大ヒットして、鬼に関わる名前の神社やコロナ禍で閑古鳥が鳴いていた観光地などにファンが押し掛ける現象が起きている。
主人公が「竈門炭治郎(かまどたんじろう)」で、妹が「禰豆子(ねずこ)」という難しい漢字の名前なのに受け入れられたのは不思議。物語も大正時代を舞台にしたものだけに、古いという印象はないのだろうか。
若い世代には、それがかえって新鮮に感じるのかも。気流子の同世代の友人は、せめてマンガで第1巻だけでも読んでみようとしたが、書店で売り切れてまだ読んでいないと嘆いていた。当分ブームは続きそうだ。