憧れていた山をテレビで見ることができた…


 憧れていた山をテレビで見ることができた。NHKBS「南米パタゴニア大自然 感動の巨大氷壁を一望」という番組で、トーレス・デル・パイネ公園の名峰パイネ・グランデ3050㍍をめぐるトレッキング。

 出演したのは太り気味の中年ディレクター、三戸宏之さんで、4泊5日のツアー。客は他にスイス人女性がいて、ガイドのニコラスさんと2人のポーターがついた。三戸さんにとって過酷だったのは2日目。

 18時間もの行程で、標高650㍍から1660㍍へ上がり、210㍍に下る。森林を抜けると荒涼とした岩山で、登ったところでバテた。それでも長い休憩を取って回復し、裏側からパイネの塔を目にする。

 花崗岩(かこうがん)の鋭い岩が三つ突き出していて、絶景だ。旅の後半、ロスペロス氷河とグレイ氷河も見たが、強い氷河風が吹き付けていた。ここにはパイネの他にセロトーレ3102㍍がある。

 2012年、難攻不落のこの長大な岩壁の未踏ルートをオーストリア人デビッド・ラマさんが初登攀(とうはん)。映画「クライマー」の中で14年夏、日本でも紹介され、来日して登山家らと交流を持った。

 パタゴニアは南極、グリーンランドに次いで3番目に大きい氷陸。この南氷陸中央部を1971年11月から翌年2月にかけて縦断したのは上智大学山岳会の3人だ。地上で最悪の気象条件で、雨、強風、突風、ガス、吹雪とその通りの様子を報告。この氷陸を辿(たど)ろうとする冒険家は稀(まれ)だ。