日本政府観光局が発表した7月の訪日外国人数…


 日本政府観光局が発表した7月の訪日外国人数(推計値)は前年同月比99・9%減の3800人だった。新型コロナウイルス禍のすさまじさということだが、この数字には驚くばかりだ。

 観光庁の蒲生篤実長官は記者会見で「訪日客が戻ってきた時に、その波をしっかり受け止められるようにする」と。しかし、コロナ禍が、ある時期にピタリと止まるわけではない。海外の人の往来予測は難しく、対応の困難は続こう。一方、旅行者側はどうか。

 先年、台湾に行った時、台北市内の骨董(こっとう)屋の主人と知り合いになり食事をともにした。彼は「家族と一緒に毎年、北海道に行っている。台湾には冬の季節がないので、一面が雪の北海道は別天地だ」と話していた。

 「仲間うちで『今年も北海道で楽しんできた』と話をするとうらやましがられ、一目置かれる」とも。台湾の人たちにとって冬の北海道旅行は一種のステータスのようだ。今冬は可能だろうか。

 これは聞いた話だが、四国に来て時々、遍路道を歩くという韓国人男性がいて「遍路道が地域の共同体に守備されていることに魅力を感じる」という。道の脇に点々とある無縁仏を、土地の人々が代々守ってきたことに感心している。外国人のそんな旅もある。

 要は、今や大都市だけが観光地ではないということだ。彼らを良く迎えるには、各地に住んでいる人たちが、まず自分の町に誇りを持つことだ。コロナ後の生活様式と言えまいか。