米国防総省は、ここ15年ほどの間に海軍機…


 米国防総省は、ここ15年ほどの間に海軍機パイロットが撮影した不審な飛行物体の映像3本を公開した(本紙4月29日付)。この間メディアに流出し、未確認飛行物体(UFO)の可能性があると波紋を広げていた映像だ。

 3本の映像は動画投稿サイト「ユーチューブ」で見られ、パイロットの驚きの様子も伝わってくる。しかし部外者には単なる飛行物体で、映像がどのように解析され、なぜ正体の解明に至らなかったのかは公表されていない。

 国境を越えた飛行物体かどうかも言及していないが、UFOなどハナから信じないというのと、UFOであるかないか徹底して調べるというのでは全く違う。米国はもちろん後者で、軍事情報の公開はUFOについて調べ尽くしたという自信の表れでもあろうか。

 わが国ではUFOというと、いまだにキワモノと思われている。よく「研究者は人が手をつけない対象を見つけろ」と言われるが、UFOはまともに取り上げられない。

 また日本の大学や研究者の中には、防衛省が先端研究を公募、支援することを批判し、軍事関係の技術開発には手を貸さないと公言している人たちもいる。UFOに関しては、どこから発進したかをたどる研究になるからなおさらだった。

 そんな中、期待されるのは、今年度に創設される「宇宙作戦隊」。宇宙に本格的に目を向け、人工衛星を守る体制を整備する。UFOとの遭遇、その研究の進展があるかもしれない。