一昨日で累計感染者数31万人超(米ジョンズ…


 一昨日で累計感染者数31万人超(米ジョンズ・ホプキンズ大の集計)。世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス禍は、ついに国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪の開催延期のシナリオも協議する事態になった。

 一方、ウイルス感染が始まった中国・武漢市(湖北省)では、封鎖措置から昨日で2カ月。新たな感染者は18日から「ゼロ」(中国政府発表)である。それでも、収束ムードは政府の演出と受け止める市民も少なくないという。

 「政府統計そのものへの不信感もあり、市民の不安は根強い」(北京時事=本紙23日付)「住民の間では、政府の情報公開の遅れが感染拡大を招いた流行初期の記憶は鮮明だ」(読売同)からだ。

 新たな感染者「ゼロ」とする基準も、日本などと同じではない。検査では陽性でも発熱やせきなどの症状がなければ感染者としてカウントしない。中国当局は「無症状の感染者は病原体を広げる確率は低い」と独自の基準を公表している。

 この基準であれば世界の感染者31万人超の数字は相当に目減りし、中国の感染者数を世界各国の基準で数えると大幅に増える。

 これを香港の英字紙が「中国政府の極秘データ」として「感染者4万3千人以上が2月末時点で、公式統計に含まれていなかった」(産経同)と報じた。前述のように極秘データではないが、中国の現下の感染者数は世界の共通基準に照らすと「8万人強」ではなく「12万人強」となるのである。