新型コロナウイルスによる肺炎が、きょう…


 新型コロナウイルスによる肺炎が、きょうから「指定感染症」となる。これによって入国拒否や強制入院が可能となる。世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言を受けて施行日を当初より6日繰り上げた。

 しかし政府は、もっと早く施行してもよかったのではないか。先月23日のWHO緊急委員会でも緊急事態を宣言すべきだとの意見があったが、中国への忖度で見送られたからだ。

 ようやく宣言した記者会見でも、WHOのテドロス事務局長は「中国政府は感染症拡大阻止に並外れた措置を取った」と持ち上げ、中国以外での感染者は「比較的少ない」などと、事態の深刻さを打ち消すような発言を連発した。こんな人物に果たして世界人類の保健を任せていいものかと思う。

 中国指導部が人々の健康や生命より国の体面や党の権威を優先することは今に始まったことではないが、今回はWHOまでが中国の影響下にあることが白日の下に曝(さら)された。

 WHOは「一つの中国」を受け入れない蔡英文政権が誕生して以来、それまでオブザーバーとして参加していた総会から台湾を排除している。人種、宗教、政治状況の違いによって区別しないというWHO憲章への明らかな違反だ。

 国会でこの問題を質問された安倍晋三首相は「地理的空白を生じさせるべきでない」との考えを示し、WHOで主張すると答えたが、いっそ習近平国家主席来日受け入れの条件として中国に突き付けてはどうか。