菊田 均
文壇のボス、久保田万太郎
文芸評論家 菊田 均 久保田万太郎の人物評 好悪が分かれた人物評 「もう、トバ口(ぐち)まで来てるんですよ。運動すればすぐですよ」と久保田万太郎が獅子文六に囁いた。「トバ口」とは今どき聞かない言葉だが、「入口」のこと。…
信長像を解明した秋山駿
文芸評論家 菊田 均 「天才」の切り口で 自分を使い果たす生き様 古今東西、天才と呼ばれる人物はそこそこいるが、日本史上最大の天才となれば、織田信長ということになりそうだ。 「戦国の三英雄」にしても、豊臣秀吉は信長に…
有力になる「写楽、写楽説」
文芸評論家 菊田 均 強力だった別人説30件 「謎」の面白さが生む諸著作 東洲斎写楽(写楽)の正体については、四半世紀前ぐらいまでは「謎」とされていた。「写楽の正体は不明」が常識だった。私自身も、だれか別の人物が写楽と…
「戦争の愚かしさ」語る軽さ
文芸評論家 菊田 均 戦後70年の奇妙な思考 人間の奥深くから検証せよ 毎年のことだが、「8月15日」が近くなると、戦争のことが話題になる。そんな中、「愚かな戦争」、「戦争の愚かしさ」という言葉がいつものように言われる…
始まるSTAP細胞事件の解明
文芸評論家 菊田 均 文学作品となりうる謎 嚆矢となる須田桃子氏著書 去年12月26日、「STAP細胞はES細胞だった」との最終調査結果が報告された。STAP細胞に関わる論文の取り下げに続いて、細胞自体も存在しないこと…
史実と虚構を混ぜた朝日物語
文芸評論家 菊田 均 「慰安婦」報道をめぐって朝日新聞は、「物語」につまずいた。物語とは、例えば『平家物語』の場合、「平家はこのようにして権力の頂点に至り、こうして滅亡した」というものだ。物語は史実(事実)と虚構(ウソ…