マグロ、築地初競りで大幅安値
入荷多く人気割れる
東京・築地市場(中央区)で5日朝、新春恒例の初競りが行われ、魚介類の取引がスタートした。注目を集めたクロマグロの競りで最も高かったのは、青森県大間産の1匹736万円で、昨年(1億5540万円)のような高値は出なかった。
市場の景気回復などを願う関係者のあいさつの後、午前5時すぎに始まったマグロの競りは、1匹ずつ順調に値決めが進んだ。大間産の入荷は昨年の5倍以上となる22匹と多かったことで、仲卸などからの人気が割れた。
同じマグロを競り合うことが少なかったため、昨年のようなご祝儀相場は出ず、この日の最高値は230キロのマグロが1キロ当たり3万2000円で、1匹736万円。5年ぶりに1000万円を割り込んだ。
同市場では、過熱する初競りでの最高マグロの獲得合戦に「築地の正当な評価機能を損ねている」(仲卸)との批判もあり、今年は取引が正常化したとの見方が強かった。
マグロ以外では、中アジが昨年に比べ5~6割高値となったものの、サバやイワシ、ブリなどはやや安めで取引された。