オンラインゲームなどのやり過ぎで、生活や…
オンラインゲームなどのやり過ぎで、生活や健康に深刻な影響が出ている精神疾患が「ゲーム障害(依存症)」として正式に病気だと認定された。世界保健機関(WHO)が5月の総会で、薬物やギャンブル、アルコールなどの常習行為による疾病の項目に加えたもの。
疾患は特に近年、中高生を中心に低年齢化が進んでいる。ひとたびゲーム依存症のドロ沼にはまってしまうと、抜け出すのは簡単ではない。それだけに治療法や依存症を未然に防ぐ手だての確立が急務だ。
WHOが今回示した診断基準は①ゲームの時間や頻度などを自分でコントロールできない②日常生活でゲームを最優先する③ゲームのために家庭や仕事、勉強などに大きな支障があっても、さらにのめり込んでしまう――の3項目。これらが1年以上続くか、症状が重いケースを「ゲーム依存症」とした。
厚生労働省の推計ではインターネット依存が疑われる中高生は、全国で約93万人(2017年度)。7人に1人という割合は、極めて深刻な事態というべきだろう。
依存が進むと昼と夜の生活が逆転し、睡眠時間が不足し、体力や視力も低下する。果ては遅刻や不登校につながり、うつ病や自殺のリスクも高まる。
子供は「自分が病気」との認識が薄いという。政府や地方自治体、医療や教育の専門家を中心に踏み込んだ総合的対策への取り組みが不可欠だ。ゲーム業界団体でも、専門家を入れて対策に動きだしている。