ご飯だけは圧力釜で炊いたのを頂くことに…


 ご飯だけは圧力釜で炊いたのを頂くことにこだわるせいで、ガスコンロを使っている。長く使っていた古いコンロを「危ないから」と娘が新しいものに取り替えてくれたのが2年ほど前のこと。

 新しいものはすべて、調理油過熱防止装置や立ち消え安全装置が付いている。平成20(2008)年に消費生活用製品安全法で装備が義務付けられたからだ。

 これをありがたく思ったことが2、3度ある。ご飯を炊いている時に、割り込んできた用事に気を取られ、火を付けていることを忘れてしまった。「ピーッ、ピー」という警告音を発していたはずだが、聞こえなかった。

 隣の部屋にいて台所が焦げ臭いことに気付いた。「あっ、しまった」と慌てて台所に急ぐと、火は消えていて胸をなで下ろした。過熱時に作動する安全装置が働いたのだ。ご飯の焦げもほんの少しで済み、お焦げもおいしく味わえた。

 だが、こういう失敗をしやすい年となったことを自覚せざるを得ない。火事と交通事故とは違うとしても、問題化している高齢運転者による車の急発進事故にも、類似する背景があろう。

 昨日の小紙社会面のカコミ記事「古いガスコンロに注意/安全装置なく、高齢者事故多数」は、当事者としてリアルに考えさせられた。コンロの重大事故は昨年度までの6年間に225件発生。被害者の年齢が分かる139件のうち「92件が60代以上による事故だった。死亡者8人のうち、60代以上は6人」だという。