ライトフライ級王者の井岡一翔、充実の年越し


相手の距離で快勝、3度目の防衛に成功

ライトフライ級王者の井岡一翔、充実の年越し

挑戦者のアルバラードを判定で下し、3度目の防衛に成功したWBAライトフライ級王者の井岡一翔(中央上)=31日、大阪・ボディメーカーコロシアム

 同い年の全勝対決。相手に初めて敗戦を経験させた井岡は、「一つの大きなヤマ場を乗り切れた。少し早いけど、ハッピーニューイヤー!」。ファンと年越しを祝った。

 接近戦が得意なアルバラードの距離で打ち合った。その意図を「相手が前に来るから、下がると見栄えが悪い。前でくっついて勝負しようと思った」と説明。序盤は対応するのに時間を費やしたが、それでも相手の左頬を腫らした。7回には右ショートをたたき込んでガッツポーズをつくった。

 普段は強気にも映るが、繊細な一面もある。リングで倒されて立ち上がれないシーンをよく夢に見る。「ボクシングのことばかり考えて、いつも不安になる。だから、試行錯誤を続けてきた」

 現状に決して満足はしない。筋肉強化を図るだけでなく、その筋肉の使い方やパンチの軌道を研究。練習を反復し、切れを磨いた。「簡単なことでも積み重ねはしんどい。でも、それをやり切ってきた」。不安を一つずつ打ち消し、攻防兼備の理想像を追求してきた。

 3階級制覇に加え、他団体との統一戦も視野に入れる新年。「向上心を持って、挑戦する気持ちで高みを目指したい」。年明けとともに、新しい戦いが幕を開ける。