茨城大、耕作放棄地を「植物油田」に


茎糖分でエタノール、産業化へ

茨城大、耕作放棄地を「植物油田」に

茨城大農学部の農場で、スイートソルガムに触れる新田洋司教授=2013年12月19日、茨城県阿見町

 全国の耕作放棄地をエタノール油田に-。茨城大学はイネ科の植物「スイートソルガム」からバイオ燃料を生み出す研究を進めている。茎で作ったエタノールは自動車の燃料などに使用可能。普及すれば石油への依存が減り、農業の活性化につながると期待している。

 「高さは5メートルほどになります」。茨城県阿見町の茨城大農場。サトウキビに似たスイートソルガムが、寒空に向かって伸びている。茎の搾り汁を発酵させ、精製すればエタノールができる。

 新田洋司教授(50)は研究を続け約20年。バイオ燃料の原材料はサトウキビやトウモロコシが代表的だが、スイートソルガムを選んだ理由は「食料にならないため、食用と燃料用で原材料の取り合いが起きないから」。生育が早く荒れた土地で栽培できるのも魅力だ。