「春風や堤長うして家遠し」(蕪村)。きょうは…
「春風や堤長うして家遠し」(蕪村)。きょうはゴールデンウイーク最初の祝日「昭和の日」。今年のゴールデンウイーク後半は、5月3日の「憲法記念日」から4連休となる。
5月1、2日を有給消化して9連休になる人もいるだろう。この時期、国内はもちろん海外旅行へ出掛ける人が多い。「昭和の日」というのは、もともとは昭和天皇の御誕生日で、それが「みどりの日」となり、現在の「昭和の日」となった。
「天皇誕生日」が「みどりの日」に変わったのは、昭和天皇の崩御によって今上天皇が即位されたためである。昭和天皇が植物・生物学者でもあられたので、それにちなんで「みどりの日」と名付けられた。しかし、昭和という時代を懐かしむ国民の声の高まりによって「昭和の日」に。「みどりの日」は5月4日に移された。
祝日にも来歴があることがよく分かる話である。数字だけの西暦とは違って、日本の元号は歴代の天皇と共に国民が生きてきた時代の象徴でもあり、それを残したいという気持ちは切実なものがあったのである。
「昭和の日」の趣旨は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」というもの。
明治の時代が記憶からも遠ざかった昭和6年、俳人の中村草田男は「降る雪や明治は遠くなりにけり」と詠んでいる。現在の平成の時代もやがて終わりを告げ、新しい元号となる。時代の変わり目がまた一歩近づいているのを感じる。