韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮…
韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による南北首脳会談が板門店で開かれ、共同宣言が発表された。6月初めまでに開かれる米朝首脳会談を前に融和ムードが高まっている。しかし、肝心の北朝鮮の非核化への具体的見通しは不透明なままだ。
北朝鮮の核・ミサイル問題での米国や日本、韓国とのやりとりを見ていると、野球の投手と打者の対決に似ていると思う。正恩氏は、剛速球は投げないが打者との駆け引きに長け、コントロールが巧みで腹の座った投手といったところか。
見せ球を使ったり、鋭く内角を突いたり、緩急自在のピッチングで打者を幻惑する。時にはビーンボール気味の危ない球を投げることもある。
唯一の誤算は、強打者のトランプ米大統領がこれまでの打者と違って、やや予想外の行動を取ることだろう。そうだとしても、正恩投手が核兵器を自分の決め球にしようと考えていることは変わらないと思われる。核兵器を保有する国が攻撃を受けることはないと信じるからこそ、これまで人民の生活を犠牲にして開発を進めてきた。
核廃棄のポーズを示しながら、時間稼ぎをし核開発を進めてきた北朝鮮。過去のデータからすれば、その投球パターンは分かっているはずだ。
それでもいざ、バッターボックスに立った時、巧みな投球術に惑わされないとは限らない。4番打者トランプ大統領の選球眼と判断力の真価が問われる場面が近づいている。