平成32(2020)年の東京五輪・パラリンピック…


 平成32(2020)年の東京五輪・パラリンピックまでの達成を目指す国の目標の一つに、厚生労働省などが26年7月に改定した「ストップ結核ジャパンアクションプラン」がある。32年までに「低蔓延国を目指す」としている。

 昭和25(1950)年までは死亡原因第1位で「不治の病」と恐れられた結核は、今では治療薬の進化などで患者数も減少傾向に。「都内で26人結核集団感染」(昨年12月28日付)などの短信記事を時々見掛けるぐらいだ。

 年間の疾病別の死者数、死亡率ランクでも、トップスリーのがん(約34万人、30%)や心臓病(約18万人、16%)、脳卒中(約12万人、11%)に比べ、死者約2000人、患者数も平成26年に1万9000人余と初めて2万人を下回った。

 それでも世界保健機関(WHО)が分類する3段階のうちで、日本は意外にも「中蔓延国」。欧米の先進国が軒並み人口10万人当たりの罹患率が10を切る「低蔓延国」である中、日本は15・4である。

 なかなか中蔓延国から抜けられないのは、高齢者の患者増加が総患者数の減少を鈍化させているから。26年の新規患者の約7割が60歳以上であることは、過去の蔓延期に感染した人が高齢者となり免疫力が低下して発病しやすくなったためとみられるのだ。

 結核は決して「過去の病気」ではなく、世界でなお年間150万人もの人が命を落とす感染症。日本が東京五輪までに挑戦するのは、スポーツの記録だけではない。