人口減、少子化が加速している。2016年の…


 人口減、少子化が加速している。2016年の出生率は1・44、出生数は97万人で初めて100万人を割る一方、死亡数は戦後最多の130万人。年齢層別出生率は30代前半が最も高く、20代後半と30代後半が続いている。

 「子どもを産む適齢期を知り高齢妊娠のハイリスク回避」と題した季刊誌「くらしとからだ」の最新号で、慶応大学名誉教授で医学者の吉村泰典さんが“高齢出産はもはや当たり前”という不正確な認識をバッサリ切り捨てている。

 吉村さんは「35歳を過ぎた頃から、卵子1個のクオリティが低下します」「(学生だったりする)社会的要因も考えると、25歳から35歳くらいまでが、妊娠の適齢期」と指摘している。

 「芸能人の高齢出産がよく話題になりますが、実はこれは非常に珍しいケースなのです。一般の人は誤解をしてしまいます」「性に関する情報はあふれているように見えて、若い人たちは、正しい基本的な知識をほとんど知らないというのが実情」と嘆いている。

 もちろん、政府の少子化対策で論点の一つとなっている、若い夫婦が子供を産み育てる環境が整備されていないという事情があることは確かだろう。しかし、それ以前の問題として「出産に関する正しい知識を身に付けるべし」というわけだ。

 今、小中学校の保健体育の授業では、避妊と性感染症についてしか教えていない。妊娠の適齢期がいつかということが全く教育されないのは大きな問題だ。