政府内で降ってわいたようなクールビズ・設定…
政府内で降ってわいたようなクールビズ・設定温度論争が起きている。
首相官邸での副大臣会議で、盛山正仁法務副大臣が「科学的知見をもって28度に決めたのではなく、何となく目安でスタートした」と語り、出席者からは「28度は不快な温度」との意見が出た。これを受け、関芳弘環境副大臣が「検討を加えたい」と応じた。
気流子などは設定温度が26度くらいでも暑く感じ、集中力が落ちることが多い。夏の盛りに役所や公的な機関の建物を訪れると「こんな暑い所でよく仕事を」と感心とも同情ともつかない気持ちになる。一方、デパートなどに入ると涼しさで生き返ったような思いがする。
この差は客の実感、本音を重視する民間のデパートと、建て前重視の役所の違いだろう。公的機関という性格上、率先垂範でいかねばならない。エアコンの設定温度と実際の室温との差どころの話ではない。
そういう意味では「28度は不快」と述べた副大臣に、よくぞ言ってくれたという気持ちだった。ところが昨日、山本公一環境相は「28度には根拠がある」とし「国民運動として進めているのだから、ああいう会合に出ている方はぜひ意識してほしい」とクギを差した。
なにやらポリティカル・コレクトネスならぬエコロジカル・コレクトネスのような議論になっている。実際28度を不快に感じ能率が落ちる人がいるのも事実。科学的な再検討まで封じるのは、おかしな話だと思うのだが。