JR西日本が新型車両を報道陣に公開
走行中の異常検知など安全性能強化
JR西日本は9日、走行中に脱線などの異常を検知すると緊急停車や近隣列車の停止などを自動で行う安全機能を搭載した新型車両を、近畿車両の工場(大阪府東大阪市)で報道陣に公開した。先頭部同士の連結時にホームから車両間への利用客の転落を防ぐホロを、先頭部に初めて装着。福知山線脱線事故などを踏まえ、車両の安全性を一層高めたという。
新型車両は「521系3次型」電車で、来年春から北陸地区の北陸線に42両(2両編成計21本)を順次投入する。
異常検知は台車部分に搭載したセンサーで行う。脱線や衝突などを検知すると、自動的に緊急停車させるとともに、近隣の他の列車を停止させる防護無線も発し事故の併発を防ぐ。
前面衝突時に客室、乗務員室の衝撃を和らげる構造も採用。先頭部のホロは、521系の既存車両にも今後取り付ける。
JR西日本車両設計室の城戸宏之担当課長は、「現在考えられる安全対策を全て盛り込んだ」と話した。