半世紀ぶりに国産旅客機MRJが初飛行
三菱重工が開発着手から7年、実用化への大きなステップ
国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」を開発中の三菱重工業と子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)は11日午前、同町の県営名古屋空港でMRJの初飛行を成功させた。2008年の開発着手から7年を経て、MRJは実用化への大きなステップを踏み出した。
三菱航空機の森本浩通社長は記者会見で、初飛行の成功について「予想以上に時間を要したが、ゼロからのスタートでよくここまで来た」と感慨深げに語った。
MRJは午前9時30分すぎに滑走路を離陸し、太平洋方面に南下した。遠州灘沖の自衛隊訓練空域で飛行試験を実施した後、午前11時すぎに同空港に戻り、無事着陸した。飛行時間は当初予定より30分長い約1時間半だった。
MRJは、1960年代に開発されたプロペラ機の「YS11」以来、約50年ぶりの国産旅客機。17年4~6月に全日本空輸への初号機納入を目指しており、日本の航空機産業の発展にもつながると期待されている。