日本郵政グループ3社株式上場、滑り出し順調
かんぽ生命はストップ高で取引を終える
日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社が4日、東京証券取引所に株式を上場した。取引初日は、かんぽ生命が売り出し価格より55・9%高い3430円のストップ高で取引を終えるなど、3社とも順調な滑り出しとなった。終値で計算した3社合計の時価総額は約16兆2400億円で、トヨタ自動車の約25兆4800億円に次ぐ水準となった。
他の2社は、日本郵政が売り出し価格比25・7%高の1760円、ゆうちょ銀行が15・2%高の1671円で終了。かんぽ生命は他より売り出し株数が少なかったことなどから人気を集めたという。東証1部の売買代金ランキングでも3社がトップ3を占め、売買代金合計は東証1部全体の約18%を占めた。
証券会社には朝から顧客の問い合わせが殺到。大和証券グループ本社のコールセンターには取引終了時間までに2日の1・5倍の注文や照会電話が入った。野村ホールディングスは、「投資未経験者から数多くの問い合わせがあった。地方における需要も高かった」としており、幅広い国民が関心を示したことをうかがわせた。日本郵政の西室泰三社長は4日の記者会見で、「(安定的な)資産株として持っていただければありがたい」と、株主の長期保有に期待を示した。
市場関係者からは、「人気はあるが過熱感はなく、当面堅調な値動きが続くのではないか」(岩井コスモ証券の川崎朝映アナリスト)といった見方が聞かれた。