大村智さん「熱帯の寄生虫病はなくなる」
東京理科大で講演、微生物から薬のもととなる物質を発見
今年のノーベル医学生理学賞に選ばれた大村智・北里大特別栄誉教授(80)は25日、東京理科大(葛飾区)で講演し、大村さんが薬の開発に貢献した熱帯の寄生虫病「リンパ系フィラリア症」と「オンコセルカ症(河川盲目症)」について「2020年と、その5年後になくなる」と見通しを語った。
大村さんはアフリカ・ガーナの村を訪問したときの様子を紹介。大人はオンコセルカ症で失明した人が多かったが、薬が行き渡った子供は元気だったと述べ、「いいことをできたなと思った」と笑顔を見せた。
大村さんは土の中の微生物から薬のもととなる物質を発見し、共同研究していた米製薬大手メルクが製品化にこぎつけた。「メルクだけでも私だけでも到達できなかった」と振り返った。