山下、上村両氏が国際柔道連盟の理事に復帰


ビゼール会長、20年東京五輪へ尽力期待

山下、上村両氏が国際柔道連盟の理事に復帰

握手する全日本柔道連盟の山下泰裕副会長(右)と講道館の上村春樹館長=21日、カザフスタン・アスタナ(時事)

 国際柔道連盟(IJF)は21日、カザフスタンのアスタナで総会を開き、全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕副会長、講道館の上村春樹館長ら4人の理事就任を全会一致で承認した。山下氏は2007年、上村氏は13年以来の理事復帰。任期は2年。

 理事として山下氏は柔道の発展と普及、上村氏は国際的な競技振興を担う。山下氏は「責任の重さを感じる。他のIJF理事とのネットワークを使って、何ができるかを考えたい」と述べ、上村氏は「柔道の本来あるべき姿を発信し、世界に正しい柔道を普及させていきたい」と抱負を語った。

 全柔連会長を務めていた上村氏は、国内の暴力問題に端を発した一連の不祥事を受け、引責する形で13年8月にIJF理事を退任。以来、IJF執行部に日本人は不在となり、国際的な影響力や存在感は低下していた。

 会長指名の理事として山下、上村両氏を迎え入れた理由について、ビゼール会長は「柔道の発展のため、日本の存在は重要。20年東京五輪で柔道の団体戦が新種目として採用されるチャンスがある。(国際オリンピック委員会などへの)ロビー活動において全柔連と講道館の力は不可欠だ」と述べた。

 総会では、会長指名の理事枠について、従来の最大2人を5人に増やす規約改正が承認された。(アスタナ〈カザフスタン〉時事)