「不思議の国のアリス」刊行150年、人気続く
ゆかりの地オックスフォードや英各地で記念行事
世界中で読み継がれている児童小説「不思議の国のアリス」が、1865年に英国で刊行されてから今年で150年。文学のみならず音楽や映画、学問、ファッションなど多くの分野で影響を与えた同作品を改めて見直そうと、夏から年末にかけ、ゆかりの地オックスフォードをはじめ各地でさまざまな記念行事が計画されている。
オックスフォードでは毎年「アリスの日」が祝われているが、今年は150周年にちなみ、主人公アリスに扮(ふん)した市民ら150人が、7月4日に市内で開かれる関連イベントに登場。作者ルイス・キャロルが学んだオックスフォード大学は7~9月、創作にインスピレーションを与えたとされる構内の場所をたどるツアーを実施する。中部ヨークでは、作中で描かれる「お茶会」を模したティーパーティーが開かれる。
各国の研究者らが開設したホームページによると、こうしたイベントは英国だけでなく、米国や日本など世界11カ国で随時催される予定で、刊行から150年を経てなお続く人気ぶりがうかがえる。
少女が地下の世界で奇想天外な冒険をする物語「不思議の国のアリス」は、数学者だったルイス・キャロルが知人の娘アリス・リデルのために語り聞かせた話が基になった。出版後、世界中で評判を呼び、各国言語に翻訳された。(ロンドン時事)