チェス「多面指し」総対局数で、世界記録達成


ハンガリーの87歳の女性シンカさん「健康が許す限り続ける」

チェス「多面指し」総対局数で、世界記録達成

28日、ブダペストで、チェス多面指しの世界記録達成に向け、対局するハンガリー人女性のブリギッタ・シンカさん(AFP=時事)

 ハンガリーの87歳の女性が28日、一度に複数の相手とチェスを指す「多面指し」の総対局数で、1920年代に活躍したキューバのチェス名人を上回り、世界記録を達成した。

 チェスの元トップアマ、ブリギッタ・シンカさんは、57年に最初に多面指しを行って以降、60年近くにわたって対局。この1週間で記録更新に必要な数百回の対局を行い、28日に総対局数が1万3600回を超えた。この結果、チェス史上最高の選手の一人であるキューバのホセ・ラウル・カパブランカ(1888~1942)の持つ1万3545回を抜いた。

 シンカさんは、勤務する会社が主催する学童向けの夏季キャンプで、多くの多面指しをこなしてきた。総対局数が約9000となっていた2010年にチェス研究家から世界記録について聞き、「記録更新を狙うことにした」という。

 過去数年で3回の心臓手術をしたシンカさんは、「健康が許す限り続けるつもり」と語った。(ブダペストAFP時事)