天野浩教授、「LED導入で照明費節減を」
パリのユネスコ本部で講演、LEDの利点を訴える
青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞を受賞した天野浩名古屋大教授が8日、パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部で講演し、「照明をLEDに置き換えていけば、日本では2020年までに合計7%の電気代を節約できる」などと経済性に優れたLEDの利点を訴えた。
天野教授は、青色LEDにつながる発見が教授から期待ほど高い評価を受けなかったり、博士号を目指したテーマで海外の研究者に先を越されたりといった若い頃のエピソードを交えながら、開発の苦労話を紹介。記者団に「学会の発表とは雰囲気が違い、緊張した」と感想を語った。
講演は、ユネスコが創設70周年記念行事の一環として企画。ボコバ事務局長が天野教授の業績を「世界の照明の技術開発に大きな貢献を果たした」とたたえたほか、ある出席者が「次の改装の際にはこの会議場の照明にLEDを導入しよう」と発言し、笑いを誘った。(パリ時事)