日本代表がV、あふれる躍動感で進化を示す
シンクロのチームFR決勝で、デュエットの乾・三井組も充実感
プールサイドから8人が流れるように飛び込み、高く跳ね上がるリフトを決めると、会場がわっと沸いた。大会最終日のチームFR決勝。井村コーチの指導2年目の日本代表が、切れのある演技で進化を示した。
昨年から取り組む、魔法の世界をイメージしたFR。今季はより難易度の高い脚技などを加え、躍動感あふれるプログラムに磨きをかけた。3日の予選では動きが乱れ、持ち味の同調性を示せなかったが、「きょうは練習してきたことが出せた」と主将の乾。最後の長い脚技まで動きをぴたりと合わせた。
昨年10月のW杯では、強豪ロシアとスペインが不在ながら、中国に次ぐ2位。久々にウクライナを上回り、今夏の世界選手権では4大会ぶりの表彰台をにらむ。
昨季は切れのない演技を「霧がかかったよう」と嘆いた井村コーチも成長を認め、「晴れてクリアに見える分、私はもっと上のものを求めていく」。笑顔の奥で、鋭く目を光らせた。