ロシアのマイヤ・プリセツカヤさんが死去


心臓発作で、「20世紀最高のバレリーナ」と名声を博す

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マイヤ・プリセツカヤさん(時事)

ロシアのマイヤ・プリセツカヤさんが死去

モスクワのボリショイ劇場で、バレエ「白鳥の湖」を踊るマイヤ・プリセツカヤさん(RIA Novosti=時事)

 タス通信によると、現代最高のバレリーナと称された旧ソ連・ロシアのマイヤ・プリセツカヤさんが2日、心臓発作のため、滞在先のドイツで死去した。89歳だった。所属したボリショイ劇場が明らかにした。

 1925年11月20日、モスクワに生まれた。バレエ学校卒業とともに、43年にボリショイ劇場に入団し、プリマとして活躍。父親がスターリン政権下の38年に粛清され、自身も一時、海外公演が許されなかった。それでも「瀕死(ひんし)の白鳥」など舞台の優美さから「20世紀最高のバレリーナ」と名声を博した。

 58年に作曲家ロジオン・シチェドリン氏と結婚。東西冷戦のさなかも、海外での公演や芸術監督を通じ、世界のバレエ界に絶大な影響を与えた。ボリショイ劇場を65歳で引退した後、70歳になってもダンサーとして舞台を踏んだ。

 これまでに38回訪日。日本バレエ界の育成・発展への貢献が認められ、2011年秋の叙勲で旭日中綬章を受章した。モスクワの日本大使館で12年2月に行われた伝達式では「特別な関係にある日本を心から愛しており、私にとって大きな意味がある」と語っていた。

 レーニン賞(64年)や社会主義労働英雄(85年)など受賞多数。プーチン大統領は「偉大なるロシアのバレリーナ、プリセツカヤさんの家族・親族や才能を認める人々全員に、心からお悔やみを申し上げる」との声明を発表した。(モスクワ時事)