家光の御用絵師・狩野探幽の「八尾狐図」発見


特別展「桃山時代の狩野派 永徳の後継者たち」で公開

家光の御用絵師・狩野探幽の「八尾狐図」発見

 京都国立博物館(京都市東山区)は6日、江戸幕府3代将軍・徳川家光が御用絵師の狩野探幽に描かせた「八尾狐図(やおのきつねず)」が見つかったと発表した。7日から同館で始まる特別展「桃山時代の狩野派 永徳の後継者たち」で公開される。5月17日まで。

 同図は縦109・3センチ、横56・3センチ。画中に家光自筆の「十月九日」の日付や、側近の僧・天海による「寛永十四(1637)年」の年号が記されている。江戸城内の紅葉山東照宮に納められていた旨の裏書きもあり、1868(明治元)年、同社撤去時に流出したとみられる。

 家光の乳母春日局が書いたとされる「東照大権現祝詞(とうしょうだいごんげんのりと)」には、家光の夢に現れ、病が治ると告げたキツネを絵に描かせたとの記述があるが、実物は見つかっていなかった。