文化庁、東大寺弥勒仏坐像などを国宝に
美術工芸品39件重要文化財に
文化審議会(宮田亮平会長)は13日、東大寺(奈良市)の「木造弥勒仏坐像」と醍醐寺(京都市)の「木造虚空蔵菩薩立像」を国宝に、和歌山県岩出市の根来寺に伝わる「絹本著色鳥羽天皇像」や、戦国時代に瀬戸内海を支配した村上水軍が発行した海上通行証「過所船旗」など美術工芸品39件を重要文化財に、新たに指定するよう下村博文文部科学相に答申した。
併せて、青森県弘前市の市庁舎本館や富山県庁舎本館(富山市)など建造物171件を登録有形文化財に新規登録することも要請。近く答申通り告示され、重文の美術工芸品は1万612件(うち国宝874件)、登録有形文化財の建造物は1万197件となる。
弥勒仏坐像は東大寺法華堂に伝わる木像で、高さ39センチの小さな像とは思えない雄大な造形から「試みの大仏」と呼ばれる。虚空蔵菩薩立像は複雑な衣の動きを克明に表現した平安前期の彫刻の名作で、「観音像」として重文指定されていたが、最近の研究成果を踏まえ名称を改めた。