マイケル・チャン氏、錦織の指導「楽しい」
充実のコーチ業、国際テニス殿堂から記念指輪を贈られる
男子テニスのメンフィス・オープンが9日、開幕した。錦織圭(日清食品)にとって3連覇が懸かる大会。現在の充実ぶりを、指導するマイケル・チャン・コーチ(米国)に米テネシー州メンフィスの大会会場で聞いた。
2013年末に錦織のコーチとなり、2シーズン目。「私と似ているところもあるし、違う部分も多い。のみ込みが早く、指導するのが楽しい」と喜ぶ。本来の動きの速さや高い守備力に加え、攻撃力の目覚ましい向上を世界ランキング5位に躍進した要因に挙げる。
メンフィスはチャン氏にとっても思い入れのある地。1988年のプロ転向後、初めて出場したのがこの大会の前身の全米室内選手権。「多くの思い出があるし、コートと客席の距離が近くて雰囲気がいい」と気に入っている。初出場から16年連続で出場し、97年には優勝も果たした。
10日には国際テニス殿堂最高経営責任者のトッド・マーティン氏から記念指輪を贈呈されるイベントがあり、同じ米国勢として現役時代にしのぎを削った好敵手に「圭は私が全仏オープンで優勝した年(89年)に生まれたんだよ」と柔和に語り掛けた。錦織も隣で「マイケルがコーチになってから全てがうまくいっている。本当に感謝している」と笑顔。注目の師弟コンビが、今後もテニス界を彩っていく。(メンフィス〈米テネシー州〉時事)