短距離のエース小平奈緒、「オランダ流」模索


W杯と世界距離別選手権、「地元」ヘーレンフェインで今季集大成

短距離のエース小平奈緒、「オランダ流」模索

昨年11月のW杯ソウル大会女子500メートルで初優勝した小平奈緒。オランダの2大会で今季の集大成にかかる(EPA=時事)

 スピードスケートのワールドカップ(W杯)が7日から、世界距離別選手権が12日から、いずれもオランダのヘーレンフェインで行われる。日本女子の短距離のエース、小平奈緒(相沢病院)は昨春から同国のプロチームに合流して練習に励んできた。「地元」での2大会で今季の集大成にかかる。

 昨年2月のソチ五輪女子500メートルは5位。メダルに届かず、その2カ月後、単身オランダに渡った。五輪金メダリストのマリアンヌ・ティメル・コーチの指導を受け、新たなスケーティングを模索した。「氷を全部使えと言われる。力ではなく、体をうまく使ってスピードに生かすのがオランダ流」と小平。

 今季のW杯500メートルでは、昨年11月のソウル大会でW杯初優勝。これを含め8レース中6度、表彰台に上がり、留学の成果がはっきり出た。

 そんな今季を、2018年平昌五輪を見据えた「冒険のシーズン」と位置付けてきた。だから、「いろいろなところにアンテナを張って、電波を拾っている。固定観念は持ちたくない」。プラス材料を吸収しながら、伸びのある滑りを磨いた。

 昨年10月に一時チームを離れ、年明けに再合流して現地の大会にも出場した。オランダでも、名前を知られるようになり、「身内のような目で見てくれるかな。いいエネルギーをもらえると思う」。スピードスケート人気の高い同国ファンの声援も得て、世界距離別では初となる表彰台を狙う。(ヘーレンフェイン〈オランダ〉時事)