江戸中期から独自のものへ


多様な秋田の凧/秋田県立博物館で

江戸中期から独自のものへ

(左から)武者絵(部分)、べらぼう凧、龍の文字を描いた字凧=秋田県立博物館

 秋田県では、能代市、湯沢市、由利本荘市の凧(たこ)揚げ大会が特に有名だ。秋田市にある秋田県立博物館のふるさとまつり広場で、先頃、秋田の凧を中心に県内外の凧23点が展示された。同館は凧の収集家から寄贈を受け約200点の凧を収蔵しており、今回はその中から展示した。

 日本で凧が流行したのは江戸時代初めからで、明暦年間(1655~57年)には市中往来の妨げになるとして、たびたび禁止令が出されたほど。秋田には、参勤交代の土産などで江戸の凧が伝わり、江戸時代中期頃から秋田独自の凧が作られるようになった。

 同館には、江戸時代の紀行家・菅江真澄(すがえますみ)の資料を集めた菅江真澄資料センターが常設展示されているが、彼も絵と文で凧の記録を残している。(伊藤志郎)