寒の入りを告げる二十四節気の「小寒」は…


 寒の入りを告げる二十四節気の「小寒」は今月6日で、これに合わせるように寒さが身にしみるようになった。それから月をまたいで節分までの約1カ月は「寒の内」が続く。

 きょうは「大寒」で、一年で最も寒気が厳しいころとなる。雪国の人からは笑われそうだが、コートの襟を立てて街を歩いていて、それを突き抜ける寒さに身を縮ませる日がある。東京でも最高気温がひとケタ、最低気温は零度近くなるこのごろ。

 それでも各地からの開花便りが、春を待つ心を少し弾ませる。万花に先駆けて咲く梅(6日松山、11日石垣島、13日松江・那覇)、ソメイヨシノなど桜(6日石垣島、15日那覇・南大東島)などからは、平年より少し早い春の足音が聞こえる。

 厳寒期とはいえ、寒い日ばかりではない。「小寒の氷が大寒に解ける」ともいう。日はすでに「冬至」(先月22日)を境に次第に長くなり、寒暖をくり返しながら少しずつ春がのぞく「三寒四温」の時期でもある。

 近くの公園で、遠目に花穂を付けたネコヤナギに見えた木に近づいてよく見ると、和紙の原料となる三椏(みつまた)だった。花穂に見えたのは、葉を落とした裸木の枝に付いたつぼみ。

 三椏が待ちかねた春の訪れを告げるように、一足先に淡い黄色の花を一斉に開くのも、もうすぐだろう。寒の内が続く中でも、かすかな春の予兆に期待が膨らむ。<しんしんと寒さがたのし歩みゆく>星野立子