北朝鮮の大安市で徳興里(とくこうり)壁画…
北朝鮮の大安市で徳興里(とくこうり)壁画古墳が発掘されたのは1976年のことだった。墓誌が発見されて、被葬者の名前「鎮」と、建威将軍はじめ歴任した官職名や、永楽18(408)年に没したことが判明。
玄室の西壁には「馬射戯(まさひ)」という騎射競技の様子が描かれていて、注目された。馬上の射手2人が、五つの四角い的を射ているところで、馬場の傍らには射手のほか記録係や審判とみられる人物がいる。
騎射競技を描いた最古の壁画で、その時代にすでに武芸として行われていたことを伝えている。これをそのまま現代に甦(よみがえ)らせた「馬射戯騎射競技大会」が、埼玉県日高市の小林牧場で行われた。
会場の近くには高麗(こま)神社があり、宮司の高麗文康さんと、日本騎射協会会長の宮川昇さんとの出会いから実現したという。今年で3回目で、選手は日本から2人、韓国から6人が参加した。
「弓と乗馬は技術が別物で、それを一緒にやるわけですから、どちらかに偏ってはいけない。それが難しいところ」と宮川さんは言う。18年の経験者で、アーチェリー、和弓、流鏑馬(やぶさめ)と経験してきて馬射戯にたどり着いたそうだ。
成績は上位3位まで韓国側が占めた。韓国側6人のうち半数は10代で、そこに女性も2人いて、人気の的となっていた。講評は世界騎射連盟会長の金榮燮(キムヨンソップ)さんによるもので「昨年よりはるかに上達した技量を見せてくれました」と健闘を称(たた)えた。