台湾の名門大学「政治大学」の講座が人気
「ドラゴン桜」「ナニワ金融道」「部長島耕作」で日本社会を学ぶ
台湾の名門校「政治大学」で「ドラゴン桜」「ナニワ金融道」「部長島耕作」といった漫画を通して日本社会を学ぶ教養課程の講座が人気を集めている。100人以上収容できる大教室はいつも満席で、学生は熱心に講義に耳を傾けている。
講座タイトルは「漫画から日本を見る」。日本外交を専門とする蔡増家教授(45)が「日本に対する関心、理解を深めてもらう」ことを目的に2008年に開講した。中国語に翻訳された日本漫画を教材とした異色の講座は学内で話題を呼び、14年度は定員120人に対して600人以上の申し込みがあった。
自身も日本漫画のファンである蔡教授は「漫画を通してその社会を学ぶことができるのは世界中で日本だけだ」と語る。例えば、教材に使用する「ドラゴン桜」は学歴社会、「部長島耕作」はサラリーマン社会の内情を詳しく描いており、「他国にはそのような漫画は存在しない」と指摘する。また「ナニワ金融道」は地下経済、「家栽の人」は司法制度というように、日本の漫画は難しいテーマを分かりやすく紹介しており、日本理解の教材としてふさわしいと説く。学生は指定の漫画を読み、その内容と絡めて現代の日本が抱える課題を報告することが義務付けられている。
学生が講座を選択した理由は、「日本文化に関心があるから」(1年生)、「漫画自体が好き」(2年生)、「友人から薦められて」(3年生)などさまざま。蔡教授は「漫画をきっかけに関連書籍も読むようになってくれれば」と日本への興味が広がることを期待している。(台北時事)