ソフトバンク、最終戦でようやく胴上げ


苦しみの先に劇的サヨナラ、3年ぶりV20年ぶり最終戦決着

ソフトバンク、最終戦でようやく胴上げ

パ・リーグで3年ぶりの優勝を決め、胴上げされるソフトバンクの秋山監督=2日、ヤフオクドーム

 シーズン終盤に苦しみ続けたソフトバンクが、劇的な最終戦サヨナラ勝ちでようやく歓喜の瞬間を迎えた。秋山監督は珍しく感情をあらわにして、サヨナラ打を放った松田らと抱き合った。「幸せです。本当に優勝できてよかった」。涙も見せながら、喜びの声を絞り出した。

 9月17日に初めて優勝マジック点灯のチャンスを迎えてから、トンネルに入り込んだ。ここから今季初の4連敗。1勝を挟んだ後はさらに5連敗を喫した。オリックスも勝ち星を伸ばせなかったが、優勝を逃しても不思議ではない失速だった。

 5連敗で迎えた最終戦も、苦しかった。六回まで無失点と好投した大隣を代えて、七回から継投に出たが、いきなり森が同点とされた。

 しかし、窮地に立たされてから底力を見せた。八回は9月25日の楽天戦で四つの押し出し四球を与えた五十嵐、九回からの2イニングは守護神のサファテが無失点に抑えた。そして十回裏に選手会長の松田が決勝打。ようやく苦しかったシーズンに終止符を打ち、指揮官は「全員の力でここまで来た」と言葉に実感を込めた。

 辛くもゴールテープを切ったが、9月の大失速はポストシーズンに不安を残した。クライマックスシリーズファイナルステージは15日から。優勝の喜びはつかの間にし、次の戦いに備える。