和包丁の魅力を米国に、鍛冶職人が実演ツアー
包丁に文字を刻む「銘切り」を外交官や米市民らに披露
約700年の伝統を持つ和包丁の魅力を米国で知ってもらおうと、堺市の鍛冶師ら包丁づくりの職人3人が実演のため訪米し、ニューヨークの日本国連大使公邸で10日、レセプションが行われた。「銘切り」と呼ばれる包丁に文字を刻む作業が披露され、集まった外交官や米市民ら約100人が興味深げに見入った。
訪米したのは刃物製作所の3代目である鍛冶師の森永昇さん(49)や、刃物卸業を営む銘切り師の大江章雅さん(50)ら。堺市は和包丁の生産で全国一を誇る。
米国では和包丁など日本の伝統的な調理具への関心が高まっている。大江さんは取材に「和食が見直され、和包丁も注目されるようになったのでは」と話し、堺の刃物を米国に広めたいと抱負を語った。
18日までの日程でニューヨーク州やカリフォルニア州などを回り、1000~1100度に熱した鋼と鉄をハンマーでたたいて接合する鍛冶と、銘切りの実演を行う。(ニューヨーク時事)