小原流家元が米陸軍士官学校で「和の心」伝授


「生け花は命を表現するもの」、小原宏貴氏が生け花を披露

小原流家元が米陸軍士官学校で「和の心」伝授

5日、米ニューヨーク州ウェストポイントの陸軍士官学校で、学生らに生け花を披露する小原宏貴氏(手前)(時事)

 米ニューヨーク近郊にあるウェストポイント陸軍士官学校で5日、生け花三大流派の小原流5世家元、小原宏貴氏(26)が生け花を披露し、軍で将来の中枢を担う学生ら約50人を前に「和の心」を伝授した。

 今回の実演は、日本人教官として防衛省から派遣されている塚本貴義3等陸佐(34)が、米国の同盟国である日本の文化に親しんでもらいたいと企画した。

 宏貴氏は冒頭、「生け花は見るだけではなく、命を表現するものだ」と説明。祖父で先々代の豊雲氏が戦後の米国占領下で、同校出身のリッジウェイ連合国軍最高司令官の妻に、生け花を教えたエピソードも語った。その後、3作品を披露した。

 イベントに参加した「日本語クラブ」の代表を務めるアスキア・マップさん(21)は「陸軍はいろんな国を訪れる。異なる文化を理解しようとすることは特に重要だ」と語った。

 難関校としても知られる同校は200年以上の歴史を持ち、卒業生にはアイゼンハワー元大統領らがいる。(ウェストポイント〈米ニューヨーク州〉時事)