「鰤(ぶり)寄せの撒き餌はじまり島九月」…
「鰤(ぶり)寄せの撒き餌はじまり島九月」(前島たてき)。あすから9月になるが、この夏の暑さを振り返ると、残暑がぶり返す恐れがあって油断できない。それでも、8月に比べると9月は視覚や語感の上でも秋という感が深い。
暑さはここ数日の雨で少しばかり収まったが、気温の低下で体調を崩す人も少なくないようだ。気流子の周囲でも、風邪を引いたり、コンコンとセキをしたりする人を見かける。人間の体は、気温が急に大きく変わると対応できないということだろう。
それに、会社でも家でも慢性的にクーラーをかけていたので、体温調節機能がかなり低下している可能性がある。暑さで食欲が減退し、ソーメンや中華ソバのような軽い食事ばかり取って栄養が偏っていた人は特に注意が必要だ。
春夏秋冬を人生に例えると、春は少年期、夏は青年期、秋は壮年期、冬は老年期と言える。秋は春に植えたものの収穫の時期にも当たる。この1年を振り返るのは早いが、何事においても、その成果が問われる時期であることは間違いない。
「仲秋や月明かに人老いし」(高浜虚子)。高齢者の話題は、病気など健康に関するものが多くなる。それだけ高齢者は病気になりやすいからか。現在や未来よりも過去の思い出に集中するせいで、身近なものに目が向くからか。
いずれにしても無理は利かないことは確かだから、車のように体も安全運転を心がけたい。