ダイエー、「都市シフト」戦略着々と


イオン子会社化になって1年

ダイエー、「都市シフト」戦略着々と

ダイエーはイオンの子会社となり、総菜の量り売りを強化し店舗の魅力を高めている=名古屋市のダイエー金山店(ダイエー提供)

 流通大手ダイエーが同業のイオンの子会社となって27日で1年。重視する首都圏など三大都市圏でも全体として不振から脱していないが、改装投資をした店舗は売り上げを伸ばしている。イオンが経営方針に掲げた「都市シフト」戦略は徐々に効果を上げていると言えそうだ。

 丸紅が筆頭株主になった2006年8月当時は、ダイエーの財務改善が優先課題だった。13年度末の同社の連結有利子負債は460億円と、06年度末(約6400億円)から大幅に減少したため、攻めに転じている。

 イオンはダイエーを子会社化してから、高齢者に配慮した店づくりを行う「シニアシフト」も進めている。総菜の量り売りを強化する店を増やしているのはその一例。ダイエーによると、改装店の売上高は前年比で平均1割以上伸びたという。

 野村証券の正田雅史リサーチアナリストは「食品は改装効果が出ているが、衣料品は非常に厳しい」と分析する。

 ダイエー店舗の再編については、今年5月に岡田元也イオン社長が、九州や北海道は売り上げ規模が小さいとして「イオンと一緒に再編していきたい」と述べた。いずれ「ダイエー」ブランドが消える可能性がある。