わが国の2009年の生命保険世帯加入率…
わが国の2009年の生命保険世帯加入率(個人年金保険を含む)は90・3%で、米国の78%、英国40%と比べるとずいぶん高い。
00年4月に開始された介護保険制度は、生命保険等の加入率の高さから当初、必要ないのではないかという意見もあった。しかし14年経て、今では高齢化対策の中心的な施策となっている。
超高齢化社会に突入し、介護する息子、娘たちもすでに初老の域に達している場合も少なくないので、介護保険による支援はありがたい。独り暮らしで身体が不自由な場合はなおさらだ。
その介護保険制度が、先の国会における「医療・介護総合推進法」の成立を受け改正されることになった。その中に、要介護には至らない「要支援」者向けのホームヘルプやデイサービスなどを来年4月から順次市町村事業に移管するという内容がある。
厚生労働省は、要支援者の多くが買い物や調理などに不自由を感じている実態に合わせたと説明。市町村の工夫次第で、NPOやボランティアによる代行、手伝いなど多様な生活支援が生まれると期待する。
超高齢化社会の問題は地方の過疎問題と深く関係している。ちょっと足を運び、食品や身の回りのものを購入できる商店が近くにないのだ。老人にとっては立派な図書館や博物館よりもそんな店が重宝なのだが。生命保険(つまりカネ)だけではカバーできない問題が広がっているという認識が要る。